コンサルタントは事業会社に転職すると苦労するという定説。

コンサルタントは事業会社に転職すると苦労すると言われます。また事業会社でワークしない人を指して「あの人の仕事はコンサルタント(受託的)だね」と揶揄するのも見かけます。これは全てのコンサルタントにハマるわけではありませんが、そうした傾向があるのも事実かなと思います。

悪いコンサルティングの世間のイメージ

実際に私もたまにコンサルタントとお仕事すると「なんか凄そう」だけど「言ってることが良くわからない」と感じるお仕事ぶりに遭遇します。例であげると、こんな感じです。

  • なんか凄そうな、実績アピール
  • なんか凄そうな、会議ファシリテーション
  • なんか凄そうな、フレームワーク
  • なんか凄そうな、スプレッドシート
  • なんか凄そうな、分厚い資料

この「なんか凄そうメソッド」で経営者をマウントして引きつけ、高額なフィーを頂くコンサルタントは一定層存在します。これをここでは「悪いコンサルタント」とします。

成果をだすよりも、「提案やフレームワーク」だけ販売する方が「自社売上最大化」には難易度が低く、効率が良いからです。勿論これは「悪いコンサルタント」の一例を極端に取りあげただけで、しっかりと顧客目線の強い「良いコンサルタント」も多くいることは見過ごせません。

事業会社に求められることとは

「悪いコンサルタント」は”提案の合意”を重視します。後から目的と成果がずれてることが分かっても、責任担保しません。しかし事業会社に所属すれば「目的と成果」が最優先されるため、こうした「悪いコンサルタント」が活躍する余地がありません。例えば具体的には下記のような差分があります。

こうした「悪いコンサルタント」が事業会社に転職した時の苦労が、表題の件につながっているのかなと思います。

ミミクリ&ドングリの考え方

「悪いコンサルタント」に対比し「良いコンサルタント」とはどんな人か?を定義するなら前述の「事業会社に求められること」を実現できる人です。

私自身が顧客と仕事する際も「良きコンサルタント」であるよう心がけ、易きに流れないよう気をつけてます。「良きコンサルタント」としての仕事は手離れが悪いですし、多くの仕事を請け負うこともできません。事業スケール性も悪く一見非効率に見えますが、私たちのような新興コンサルタントにおいて「スケールしない動き」は、自分達の「事業スケール」において重要と考えてます。

よくSaasを伸ばす際の基本として「バケツの穴を塞いでから、水(顧客)を増やせ」というものがあります。これは「解約率が多い中で新規顧客を増やしてもその分逃げるので、ちゃんと顧客満足度を高めてから顧客を増やしましょう」というものです。こうしたPMF(プロダクト・マーケットフィット)的な考え方は我々のようなビジネスでも重要で、解約率を少なくするためには、サービス品質の向上が大切です。ここでいう品質は事業成果に他なりません。

提案してお金を頂いて終わりのビジネスではなく、チームに並走して成果を出すことで顧客満足度を高め、多少金額は高くても継続いただることで、じわりじわりとPMFしていくのが理想論であり私達の将来的なスケールの鍵と考えてます。その為には何よりも「良きコンサルタント」として事業の成果に寄り添うことが大切なのです。

銀の弾丸はない

ふふっとなってしまったQUORAの記事に以下のようなものがありました。
https://qr.ae/pNKb5V


簡単にまとめると、古くはPMBOK、最近ではアジャイル/スクラム等を企業が多額予算をかけコンサルタントに依頼するものの、結局殆どプロダクトリリースできず成果がでない。銀の弾丸(フレームワーク)は存在しないから、それよりスモールスタートで地道に人材育成をした方がいいよ。…という趣旨をユーモラスに記載しています。

悪いコンサルタントはあたかも「銀の弾丸」を持っているかのように話を持ちかけ、フィーを得る為にその導入自体を自己都合で優先しがちです。それよりも我々が大切にすべきは「銀の弾丸はない」前提で、誠実に顧客課題に向き合いながら、成果実現する方法論を「顧客とチームとなって」考えつつ試行錯誤することかなと思います。

※ちなみに話題になっているOOUIは、ここで紹介されている”人月の神話”のパロディ的コピーで話題となっています。僕も読みましたが素晴らしい本でした。

誠実に真摯にひたむきに、コトに向かい続けていきたいですね!以上、ミナベからでした。


ミミクリ &ドングリはデザインの力で創造性の土壌を耕し、組織の課題解決を実践するデザインファームです。40名の研究者、ファシリテーター、コンサルタント、デザイナーが在籍しながら、具体的な技術から思想や哲学まで含めた広い意味での方法論 (methodology) を学術的に研究しています。

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